残っているのは・・・

その日、何だかやる気の出た私。

 

 

 

 

 

ただ今夕方6時過ぎ…

 

 

一時間とちょっとの残業中。

 

 

 

 

周りの人がちらほらと帰って行くのを横目に、私はパソコンやコピー機と格闘する。

 

 

 

 

 

「ふわぁ〜・・・」

 

 

 

 

思わずあくびが出ちゃうや。
ちょっと頑張り過ぎちゃったかな…

 

 

 

実は今やっている仕事は急ぎのものじゃなくて、期限はまだまだ先なんだけど、取引先との打ち合わせに使われる大切な資料の為、私なりにより完璧に仕上げたいと思ったから…余裕のある今、少しでも進めておきたかったんだ。

 

で…

 

 

 

 

気付けば夜の8時40分。

 

 

 

 

 

「やばっ!!!ちょっとどうしよう…こんなに残ったの初めてだよぅ」

 

 

 

そう。

 

私は普段きっかり5時上がり派なのである。

 

 

 

 

学生時代に無理やりさせられた部長や生徒会での経験は、無駄にはならなかったみたいで、仕事は早いし、理解はある方なんじゃないかな?

 

 

正直自分でも仕事の手際は良い方だと思ってる。

 

 

だから無論、こんな時間まで残った事はなくって…

 

 

せいぜい1時間が最大なわけで…

 

 

 

 

「・・・わたし・・・ひとり?」

 

 

 

 

 

顔を上げて初めて気付いた。

 

 

辺りは電気を消されて真っ暗。

 

 

明かりがついてるのは私の頭上とパソコンの画面だけ。

 

 

 

「・・・うわぁ〜、本当にどうしよう。私戸締まりとか分かんないし。警備さんに声掛けて帰ればいいのかなぁ?」

 

パソコンをシャットダウンしながらぶつぶつとつぶやき、これからの行動を模索している時だった。

 

"キィ―――"

 

 

 

わずかな音を立てて、我がオフィスの入口のガラス扉が開いた。

 

 

 

ちょっと驚き、ビクッとしながらも、"誰か居たんだ"って安心して勢いよく振り返る。

 

 

 

 

"っっっ!!!!!"

 

 

 

ビックリしちゃった…

 

 

先に帰られてるとばかり思ってたから。

 

 

 

 

「・・・佐伯部長。まだいらっしゃったんですね・・・」