4月

なのに彼は…

 

 

「ぶっ!ぶははははははっ!気ぃーつえー女」

 

 

そう言って笑う。

 

 

「隆二さ〜ん、行きましょぅ?!」

 

 

後ろから甘い声を出し、相川さんが促した。

 

 

"なによっ!あんな声出しちゃって、男が男なら、女も女ね!!"

 

 

私はこの事で、いっきに彼の事が嫌いになってしまった。

 

「あぁ」

 

とか何とか言い、彼は私の後ろを去っていった。

 

 

 

彼が去り際に
"でも嫌いじゃない"
そう言ってた事などつい知らず。

 

 

う"〜!!!イライラするぅ〜!

 

 

私の気分を表すかのごとくぐちゃぐちゃになったサンドイッチにかぶりつく。

 

 

「まあまあ!!遥香、私はよく言ってやったと思うわよ!遥香エラいっ!素敵っ!無敵っ!」

 

 

って、全然嬉しくないし。

 

 

なおもイライラする気持ちを必死で押さえながら、今日のお昼休みを何とかやり過ごした。

 

そう言えば同じ課だったんだ…

 

 

しかも上司になるなら嫌でも顔を合わすわけだし。

 

 

なんだか大変な事になっちゃったな…

 

 

 

私はやっぱりツイてない。

 

 

 

こうもツイてないと、自分の運命を憎んじゃう。

 

 

 

 

 

ま。

 

 

 

 

しょうがないんだけど。

 

 

それからは運良くも、彼と顔を合わす時間はほとんどなく、あのセクハラ部長も手を出す事なく4月を迎えた。

 

 

 

 

早くも桜が散っているこの春。

 

「・・・と言う事で、未熟な部長ではありますが、皆さんの協力を得て、チームワークのある円滑な仕事をしていきたいので、よろしくお願いします」

 

 

 

 

"パチパチパチパチ"

 

 

 

拍手喝采の中、その拍手で我に帰った私は何も聞いてなかった事に気付く。

 

 

やっちゃった;

 

 

ま、いっか。

 

 

 

とりあえず朝礼も終わって、各自解散の様子だったので、私は給湯室に各先輩方に飲み物を用意する為に向かった。

 

 

 

あの忌まわしき加刈部長はおとなしく消えて行き、変わりにフレッシュでもあり、エネルギッシュでもある佐伯部長がやって来た。