新部長との出会い

"やだ"…

 

悔しくて思わず涙が出そうになってしまう。

 

 

 

「じゃぁ、なぜ彼女が泣きそうな顔を?」

 

 

彼は私の方に"チラッ"と目配せをして、部長にキツい口調で尋ねる。

 

 

 

「そ…そんな顔なんてしてないだろう?!!き、君!いい加減にしないと…どうなるか分かってるだろうな!」

 

 

"恐い"

 

 

そう思った。

 

 

だってそうでしょ?

 

 

私が…誰かが、訴えようものなら、それ相当の処分を下すつもりなんでしょ?

 

 

 

権力って…大人って恐い。

 

 

 

 

 

それに、私ってやっぱりツイてない。

 

 

「わかりました…」

 

 

 

 

ほら…

 

 

 

彼だって何も言えない。

 

 

 

そんな風に脅されたりなんかしたら、人は当然引き下がるしかないのよ…

 

 

 

"仕方ないですね"そう言って彼は続けた。

 

 

 

 

 

 

「あなたをクビにしましょう」
・・・。

 

 

 

 

「え?」

 

 

 

「なにっ?!!!!!」

 

 

 

 

私も部長も声を揃えて驚いた。

 

 

 

そりゃそうよ…部長だってまさか自分よりうんと年下の若僧にそんな事を言われるなんて思う筈ないもの。
ふははははっ!!何を言ってるんだね君は!!!」

 

 

 

そうよね。普通そんなバカな話ないもの。

 

 

だけど彼は勝ち誇った顔をして言った。

 

 

 

 

 

「残念です、部長。この4月からあなたは部長じゃなくなる…何故なら僕が部長になるからです」